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2011.01.09 20:53|ネコのはなし
2006年。
ジンはアフリカ ガボン共和国で暮らす事になって一番最初に出会ったネコ。
ガボンの首都にある仕事先の宿舎に彼女は居た。

私は一度もネコと暮らした事がなかったから、ネコとはどんな動物なのか
知ったのはこのジンに出会ったお蔭。

それまでの私は「ネコかイヌ、どちらを飼う?」と聞かれれば、
「絶対にイヌ!」と即答していたし、ネコと暮らす事など想像したこともなかった。
だからと言ってネコが嫌いではなく、
暮らした事がないから接し方がわからないと言う事だけなんだけれど・・・。

初めてジンに会ったとき「なんて変な毛色のネコ」だろうと思った。
あんな色のネコが居るなんて…という印象。
かわいいか不細工かと聞かれれば「不細工」の方に入った。
まったく第一印象は、申し訳ないほど評価が悪い。(ごめんね、ジン。でもこれ本当の事)

ジン1
                      ジン

宿舎に来る訪問者に誰にでもすぐ懐く。
いつも人が代わる代わる入れ代り出入りする宿舎のネコだから社交的。
ソファーに座り話をする人々の足に、体を摺り寄せ長いしっぽを絡めながら
全員の周りを回る。
ネコ好きはおしゃべりの口は動いたままでも、ジンの頭や首の周りを撫でたり掻いたり。
ジンはもうそれでもう十分満足。

ある日のジンは、床の上で雑巾の様に素足で押され右に左に、
まるでモップの様に床を滑るジン、
それでも構ってくれる事が嬉しいのか、嫌がる気配もない。

私がジンに最初に出会った時、ジンは一体何歳だったのだろう。
きゃしゃで、小さくそれはまるで1歳位のネコの大きさしかない。
その後3年間、首都に行くことがあれば必ず泊まっていた宿舎で
彼女の大きさも体型もまったく変わらなかった。

子ネコの時に2匹で拾われ、「ジン」と「トニック」と名付けられた。
2匹揃って「ジントニック」。
お酒を飲む人なら誰でもすぐにわかる名前だ。
せっかくセットで命名されたのに、トニックはフラリとどこかに行き戻って来なくなったそうだ。

体は子ネコの様に小さいクセに、鳴き声はハスキーな「ニャー」。
初めのイメージは悪かったジンが日々ジンと過ごす内に、
何とも可愛くて綺麗なネコに見えていくから人間の目とはいい加減なものだ。
黒と茶、白をゴチャゴチャ混ぜた様な汚い色のジンのまぶたは白く色っぽい。
眠たそ~なジンの顔を横から眺めていると、とても色気がある。

こうしてジンの良い所や、おしゃまな所をひとつずつ知っていく事になる。

宿舎住まいの人は、昼間はみな事務所に行き仕事をする。
首都の事務所は仮の事務所で、本来の仕事先が森の中の人達が宿舎に泊まる。

私の旦那もみなと同じく事務所に仕事に行く。
朝食を食べ終わりしばらくすると宿舎の中は人気がなくなり静かになる。
宿舎に居るのはコック兼掃除係のピエールと私の二人だけだ。
私は手が空くとジンを部屋に入れ、手作りのおもちゃでジンと遊び、
時にはジンと外でかくれんぼをする。

ネコはちらりと見えた物が消えたり、見えたりするとたまらなく興味をひかれる。

ジンにかくれんぼをけしかけるのは私。

バナナの木から顔を出し、隠れる。
まだ別の角度から顔を出す、また隠れる。

ジンは我もと言わんばかりに、雨水用の排水溝に身をひそめる。
《頭かくして尻かくさず》とはこの事で、
ジンは体も頭も隠れているが耳が溝からひょっこり2つ覗いている。
この溝は雨水が通るだけの溝なので、普段は水もなく蓋もない。
ジンは見つからない様に溝の中を移動し、決めた場所でじっとしている。

私は気が付いていない振りをし
「あれ~? ジンは居ないなあ~」などと言いながら、近くを歩く。
すると待っていました!とばかりに、ジンは溝から飛び出し私の足にタッチして、
そく猛ダッシュしてまたどこかに隠れる。

ネコは人間の子供に良く似ている。
何度も同じ遊びを繰り返しても全く飽きる事がない。
ジンは「もっと、かくれんぼをしよう」と身を隠す。

こうして首都に居る時の昼間は、ジンと過ごす事が多くなっていった。

昼間、昼寝をしょうとうとジンがベッドに乗る。
ジンは完全な外ネコだ。
宿舎の屋根に上りそのまま外に行けていく。
そんなジンがベッドに乗るとたちまち綺麗なシーツが黒くなり、
ジンの黒い毛も抜けシーツが黒くなるのにますます拍車がかかる。

その後、アフリカの布パーニュを市場で買い、ベッドにもう1枚かけておく事にした。
この布でアフリカの人達は洋服を作る。
パーニュは柄と色が沢山使われ、
多少の染みや汚れが目立たず日常使いの洋服にもちょうど良い布だ。

私が部屋で仕事をしているとドアをノックする音がし、
返事をしながらドアを開けると、誰も居ない。

確かにノックの音がコン・コンとしたのに。
変だな~?と思いながらドアを閉めようと足元を見ると、何とジンがドアの前で私を見あげているのだ!

「ジンがドアをノックしたの?」
ジンは「ニャー」と一言鳴き、ドアの隙間から部屋の中へ体を滑りこませた。

夕方、「ジンがドアの前でノックをした」ことを事務所から帰って来た旦那に報告すると、
旦那は疑いの眼で私の言っている事に半信半疑でいる。
その直後、ドアがタイミング良くノックされたのだ!

コン・コン。

「ジンだよ。ジンだよ。自分で開けてみなよ。」
言われるがまま、旦那がドアを開けてみると、ドアの前に立っていたのはまぐれもなくジンだった。

この日からジンは部屋の外に出たい時はドアの前で「ニャー」と鳴き、
部屋に入りたい時はドアの前で2度ノックした。
ジンがどのようにノックしているのかはわからない。
多分振った尻尾がドアをノックしていたのだろうなぁ。


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テーマ:猫のいる生活
ジャンル:ペット

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Author:びもりか
イラストを描いたり料理や裁縫が大好き。
生き物や植物、自然にある模様や不思議を見つけてワクワク。
ネコと暮らし中

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