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2012.11.16 17:13|日本にて
ンドキの記事が朝日新聞に載りました

9月29日の朝日新聞の朝刊です。

その内容は・・・
1面に「売られる野生動物」
2面に「食い尽くされる森」
どちらも人間の「食」として胃の中に入る野生動物の肉(ブッシュミート)の話です。

《ブッシュミート=野生動物の肉》と言う言葉を、今、初めて知った人もいるかもしれませんね。

日本では鶏・牛・豚肉は、お金を出せば簡単に手に入ります。
今ではコンビニでも豚・鶏肉は置いてある様になりました。

日本では、野生動物の肉を手に入れる事は難しい事もあるし、
普段から「肉」と聞いて、野生動物の肉を思い浮かべる人は少ないでしょう。
今では、野生動物を獲る猟師も昔よりも少なくなりました。

一般庶民が、野生動物の肉を口にする機会があるとすれば、
山岳にある旅館でイノシシ鍋(牡丹鍋)などを食べるくらいしか思いつきません。

●日本で食べられている野生動物は何?
イノシシ(牡丹)、シカ(もみじ)、ウマ(桜)と、野鳥ではカモやスズメなどですね。
鯨やイルカも海に暮らしている哺乳動物です。

これらは現在でも量は多くはないと思いますが、日本人に食べられています。
これも同じ様に野生動物ですから「ブッシュミート」と呼ぶ事ができます。

昔には、サルやイヌも食べていたと言う話を聞いた事があります。

●野生動物を食べるのは野蛮か?
私達日本人は普段から野生動物を食べていない為に
「野生動物の肉を食べる」
「生きた野生動物を自分達で射止めて、目の前で絞めたり、捌いたりする」と知れば
「生き物を殺すなんて残酷だ!」とか「野生動物を殺して食べるなんて野蛮な!」と
思いがちです。

知人からメールで、「コンゴ人の野生動物を食べる食習慣は、日本人の鯨食と同じか?」
と聞かれてこんな風に答えました。

【日本では畜産業が発達しているから、鶏・牛・豚肉などが好きに選べ、
手頃な値段で買う事ができます。
だから今の日本なら、鯨を食べなくても《生きる》事ができます。

でも、コンゴの一般庶民は、野生動物を食べるしか《生きて行く道がなく》、
鶏・牛・豚肉などは高価で《容易に高い肉を買う選択ができない》のです。

だから日本の鯨食と、コンゴにおける野生動物食を同じ様に考えるのは全く別の話です。】

メールを何度か繰り返した事で、
「そういう事だったのか! だから‘市川光雄京大名誉教授の代替タンパク源をどうするか’
という文章に繋がり、新聞の理解が深まった」と言われました。

そして「新聞を読んで、残酷で野蛮なコンゴ人」という印象を受けた事も知りました。

私は日本人としてコンゴで暮らし、彼らの生活を見て来て、
彼らに対して「残酷で野蛮なコンゴ人」という印象を受けない様に
誤解を解かないといけないと思い、私なりに補足してみたいと思います。
(補足になるかな?)

             *  *  *

●コンゴ共和国での市場の様子
コンゴの大きな町や小さな村にでも大きさの違いはあれど市場があります。
大抵の市場は、連なったテーブルの上に、日差しと雨をしのぐだけの屋根がある簡単な構造です。

ブッシュミートを市場まで持って来るのは、切り身にするよりも、
獲った姿のままで市場まで運び、市場で売りながら動物を捌きます。

市場のテーブルの上で動物が捌かれ、お客の前でもその作業は普通に行われます。

また、別の場所で動物の毛を焼き、下処理までした半生焼けの姿焼きを
市場に持ち運び、お客から注文があった時点で、切り身にして販売します。

冷凍設備がない赤道直下の国の市場で、朝から昼頃までの生肉や半生肉を売るためには、
市場で動物を捌く事は、効率的で衛生的だと感じます。

市場のブッシュミート売り場には、
赤ちゃんを背負った奥さんや、子連れのお母さん、親から頼まれて肉を買いに来る子供など。
また、市場で店を開いている奥さん達の子供達が母親の働く姿
(肉を捌いたり売ったりする姿)を眺めています。
どの売り場にも子供が沢山居る事に気がつきます。

コンゴでは、人間が生きる為に、別の生き物を摂取して生きた来た《食の原点》を、
目の前で子供達も見続けて育っています。

そんな中で育つ子供達にとって、動物が肉になる為には捌かれるのは当たり前の事だし、
その後の、美味しい料理がある事に直結します。

こんな環境の中で育てば、動物が目の前で捌かれるシーンを見ても
子供達は動物を殺す事に対して残酷だと思う事はありません。
野生動物=肉=食事 なのですから。

何か野蛮な事があるのでしょうか?
それは生きる為の普通の営みのひとつなだけなのです。

●コンゴ共和国ではブッシュミートを食べる事は違法ではありません
コンゴ共和国には狩猟期間と禁猟期間があり、
登録した猟銃で狩猟期間に、自分達家族が食べる分の野生動物を獲っても良いのです。

もちろん法律で保護種と決められた野生動物は、通年捕まえても殺しても違法です。
市場などで利益目的に販売する事が違法です。

庶民には鶏・牛肉は高くてなかなか買えない現実があって、
狩猟期間内になると、違法なブッシュミートが公然と市場に運び込まれ
庶民の腹を満たしてくれています。

取り締まる側の職務の人達は、庶民に安値で買える鶏・牛肉などがない事を知っている為に
厳しく取り締まりができない事も事実です。

もし畜産業が発達して、安値で鶏・牛・豚肉が手に入るようになれば、
コンゴ人も私達日本人と同じ様に安い方を手に取るのです。

●コンゴ人は家畜は育てていない?
個人では育てています。
でも、規模は家庭でヤギ数頭、ニワトリ数羽程度。
時々、豚を飼っている人も居ます。
日々殺して食べていたら直ぐに居なくなってしまいますよね?
それに他人に売るほどは飼っていません。

だから、簡単には殺さず、大事に増やしているのです。

●私達日本人の肉食はどうでしょうか?
私達日本人は肉を食べる為に動物を狩りに行く必要はありませんし、
畜産業者が、《鶏・牛・豚の飼育と増産》を代行してくれます。
私達が最も見たくない《動物を殺す事》も屠畜業者の人達が、
私達の代わりにすべてをやってくれます。

私達がお肉を見るのは、スーパーの綺麗なパックになった切り身の状態で、
生きていた動物の姿や、捌く時に出る血や姿を想像する事はまったくできません。

屠畜の現場を知らない私達が、もしその現場を目の前にしてしまえば、
肉を買うのを止めてしまうかもしれませんし、食欲も薄れてしまうかもしれないでしょう。

知らないからこそ、お肉を見て、料理を想像できるし、美味しそうなお肉だなと思って
私達はお肉を買って行きます。

前の工程に違いはあれど、動物を射止め、捌きい、肉を食す事には何も変わりがありません。

日本人のように、畜産業が発達していないが為に、すべてを自分達でやっているだけの事なのです。

●コンゴ共和国から日本を見ると・・・
きっと日本人が若鶏や子牛をまだ小さい内に絞めて食べている事を聞いて
コンゴの人達は驚くに違いありません。

コンゴの村々でも鶏やヤギ、豚を個人的に野放しで飼っていますが、
決して若いうちに殺して食べたりはしません。

家畜として繁殖が不可能になり役目を終えた時に、
そして正月や、特別なお祝いの時に家畜を絞めます。

彼らにとって家畜は大切な時のために、できるだけ増やしたいと思っているのです。
小さいうちに食べるなんて事は、よほどの事が無い限り有り得ない事でしょう。

まだまだ命を長らえ、大きくなり、子どもが増やせるのに、
まだ若いのに殺して食べてしまうなんて、
別の角度から見ればコンゴ人よりも、日本人の方が「残酷」と思われるかもしれませんよ。

               *  *  *

朝日新聞のデジタル版は、「無料購読」に登録すれば読めるそうです。

そのとき、「朝刊10月29日」とサイトを指定すれば、外套の記事が読めるそうです。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201210280472.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201210280472
興味がある方はどうぞ 読んでみてくださいね!

※次回 朝日新聞に載る予定は
11月26日夕刊から4日間だそうです。
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テーマ:みんなに知って貰いたい事
ジャンル:日記

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Author:びもりか
イラストを描いたり料理や裁縫が大好き。
生き物や植物、自然にある模様や不思議を見つけてワクワク。
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